リンポポ州小中学校建設計画
背景
南アフリカでは、アパルトヘイト崩壊後、1994年に誕生した国民統一政府のもとで「復興開発計画」を策定し、人種間・地域間格差の是正を目指した社会・経済改革を進めていた。
最貧州の一つであるリンポポ州では、成人識字率は低く、教室不足率もムプマランガ州に次いで高い上に、施設の多くは地域住民の手により建設された簡易なもので老朽化や自然災害による劣化・損壊等が著しかった。州政府は地域の核となる良質な教育施設としての学校改革を謳い施設整備を重点課題としていたが、財政悪化から十分な進捗が見られなかった。
このような背景のもと、リンポポ州のうち最も施設整備の遅れた3教育区を対象とした小中学校建設にかかる無償資金協力が要請された。
プロジェクト内容
サイトの総合的評価を踏まえ、要請35サイト中32サイトを協力対象として学校種別(小学校、低学年小学校、統合学校、中学校)に応じた教室数の整備を計画、全204教室の建設を実施した。施設は地域の材料と労働力、技術的蓄積を最も活かせるレンガ組積造の平屋建てとし、現地に流通する既製品を可能な限り採用して総合的なコストダウンを実現した。またトイレには現地企業により開発された乾燥式トイレシステムを採用し、水資源の乏しい地域事情を踏まえた計画とした。