マラウイ中等学校改善計画フェーズ2
背景
マラウイ国では、初等教育の無償化政策の影響による中等教育就学者数の急増に対して、コミュニティが設立した成人教育施設をコミュニティ中学校(CDSS)に格上げし、中等教育施設の不足に対応してきた。しかし、年々増大する中等教育需要に施設整備が追い付かず、十分な施設を持たないCDSSが公立中学校の大部分を占める状態にあり、施設不足と未整備が中等教育普及の大きな障害となっていた。これに対し、日本はコミュニティ開発無償による「中等学校改善計画」を実施、中西部、南東部、南西部、シレ高地の4教育管区での施設拡充整備を支援した。本計画は、これに引き続いて中西部、中東部、北部教育管区の12CDSSの施設拡充整備を行うものとして要請された。
プロジェクト内容
本計画では、敷地状況やアクセス、インフラに問題のあった5サイトを除外した7サイトのうち、優先度の高い6サイト(都市部1サイト、農村部5サイト)を対象とした。第一優先として、中等学校としての標準施設(一般教室、理科実験室、図書室、管理諸室、便所及び農村部では女子学生寮、多目的ホール・厨房)、第二優先として農村部の教員住居と都市部の多目的ホールを含む概略設計を策定した。その後、入札残余金を利用して教員住居が追加建設され、すべてのコンポーネントの建設が完了した。フェーズ1同様、現地業者による施工を考慮して施設はすべて分棟式、平屋建てとし、傾斜した敷地の勾配と既存施設との有機的連携を考慮して配置を行った。各建物はSSB(ソイルセメントブロック)による組積造を基本とし、そのモジュールに合わせた設計としている。