カメルーン第三次小学校建設計画
背景
カメルーンでは1995年以降の経済回復に伴って就学児童が急増しており、教室不足と過密状況が深刻化して、全国で14,600教室が不足していると算定されていた。これに対し、日本は第一次、第二次の小学校建設計画を通じて全国で61校、773教室を整備してきたが、全体の整備教室数は政府が目標とする年2,500教室の半数程度に止まり、十分な改善が進んでいない。そうした状況を受け、カメルーン国政府は引き続いて中央、南部、南西、最北、北部州における33の小学校建設にかかる無償資金協力を日本国政府に対して要請した。
プロジェクト内容
調査により十分な施設需要が確認された要請33サイトすべてを対象に、教室(合計426教室)、校長室及び便所棟の建設を行った。各サイトの施設を可能な限り標準化することでコストの低減と建設の効率化を図るとともに、2階建てを原則に郊外の小規模校には平屋タイプを適用して周辺環境への調和に配慮した。また、気候風土が大きく異なる北部及び最北州については換気・暑さ対策を十分考慮し、小屋裏を開放して室内気積を確保すると同時に、桁行方向に欄間を設けて天井面での十分な換気が取れるようにした。