バルバラ地区ナッシブ小中学校建設計画
背景
ジブチ共和国政府は、開発戦略において「より良い教育と訓練」を主要目標の一つに定めて初等教育の完全普及を目指している。国民教育・職業訓練省では中学校施設の整備に当たって、小学校から中学校への学習継続に向けた戦略の一つとして、基礎教育の一貫性を重視した小中併設校の整備を方針としている。一方、対象となるバルバラ地区では過密状況が深刻な状態にあり、ジブチ国政府はバルバラ地区を施設整備の優先地域としているが、財政的な制約のために十分な対応ができない状況にあった。こうした状況を踏まえ、バルバラ地区の中でも新たな開発地区として人口集積が進むバルバラ南部地区 Nassib において初等教育と前期中等教育を併せた基礎教育全課程を提供する小中併設校を新たに整備する計画を策定し、我が国に対してその実施に係る無償資金協力を要請した。
プロジェクト内容
建物はジブチ共和国の気象条件と標準的な施設形式を踏まえて開放外廊下型 2 階建てを基本とし、東西軸を基本に中庭を囲んで相互に干渉しない間隔を取って建物を並行配置した小・中学校をそれぞれ敷地の南北に配置して、中央の運動場で繋ぐ構成とした。平面・断面構成は小・中学校共通とし、スパンを統一して施工・構造の単純化を図った。また、日射を受ける外壁開口部の前面に日除けとなる穴あきレンガブロックによるスクリーン壁を設けて各建物に展開し、外観デザインの統一を図った。施設計画に当たっては、ジェンダーや障害を持った子供に対する配慮に留意し、1 階及び外構全域のバリアフリー化、障害者用ブースを付設した男女別棟のトイレの設置を計画した。