シモイオ教員養成校建設計画
背景
モザンビーク国の初等教育分野では生徒数、総就学率に示される教育機会の拡大が進む一方、留年率や退学率など内部効率が依然として低い水準にあり、教育の質の向上が大きな課題になっていた。一方、急増する生徒数は不足しがちであった教員配置の状況を圧迫し、教員一人当たりの生徒数を押し上げていた。また教員不足を補うために無資格教員の採用が続けられたため、教員の有資格率は年々低下し、初等教育の質の低下を招いていた。これに対し、政府は教員養成制度の改善を優先課題に位置付け、ドナー等の支援を得て全国8州1市で初等教員養成校(IMAP)を整備しており、残る2州のうちマニカ州でのIMAP建設にかかる無償資金協力を日本に要請した。
プロジェクト内容
設立構想に従って5クラス2学年、生徒数400人の全寮制学校として、新カリキュラムでの養成プログラムに対応した施設・及び機材内容を整備した。施設は機能に応じて管理・教員棟、普通教室棟、特別教室・図書室棟、音楽堂、技能実習棟、体育館、食堂・厨房、サービス棟、寄宿舎、教員住居、便所棟及び実習用小学校で構成し、約16haの緩やかな丘陵地にゾーン分けして分散配置している。主な建物に2.8mの共通スパンと型鋼の梁に鋼板シートを載せた片流れ屋根を採用し、意匠的統一を図るとともに、柱型を外壁側に出し、北側開口部には日射の差し込みを防ぐ縦ルーバーを設置して彫りの深い外観デザインとした。