モトフォウア高等教育施設整備計画
背景
モトフォウア中学校はツバル国唯一の公立中等教育機関として、初等教育を修了して全国試験に合格した児童を受入れ、4年間の中等教育を提供する全寮制学校である。同校では 1996 年に日本の無償資金協力(第一期計画)による施設の拡充整備が行われたが、その後の火災や老朽化等によって利用可能な施設が減少し、安全性に問題がある建物や仮設教室を利用した運営を強いられ、教育施設として十全な機能が果たせない状態にあった。
こうした状況を踏まえ、本計画ではモトフォウア中学校において必要な施設の改修・拡充と機材の整備を行い、中等教育施設としての安全で適切な学習環境を整備することを目標とした。
プロジェクト内容
本計画では、モトフォウア中学校において経年劣化や塩害、強風被害等によって劣悪な状況にある既存施設を改修又は更新するとともに、2009 年に新たに設置された技術・職業訓練課程を含め、入学者全員が 4 年間の就学を継続できる規模の施設の拡充整備として、男子寮/女子寮、一般教室棟、管理棟の新築と既存校舎の改修及び機材調達を計画した。
離島という孤立した社会・環境条件、過酷な気候条件に対して、上部構造に工業化資材による乾式工法を採用して現場作業の最小化と工期の短縮を図り、限られた現地リソースを活用しつつ耐久性等の品質確保を目指した。建物は特殊な機械や技能を必要としない平屋建とし、塩害対策を徹底するとともに深さのある庇を設けて直射日光の差し込みを避けた学習空間を確保している。