ジブチ中学校校舎建設計画
背景
ジブチ国では、厳しい気候条件に加え天然資源が乏しいことから、1977年の独立以降人的資源を重視し、教育制度の整備を始めとする国民教育の拡充に尽力してきた。しかし、学校や教員の絶対数の不足から、1992年時点の就学率は初等教育で36.2%、中等教育では13.5%、識字率も14%と低い水準にとどまっていた。
このような背景のもと、同国政府は首都ジブチ市に隣接する新興住宅地(バルバラ地区)に複数の中学校の建設計画を策定し、このうちの1校の建設と教材整備について日本国政府に無償資金協力を要請をした。
プロジェクト内容
建設サイトとなるバルバラ地区は首都ジブチ市に隣接する新興住宅地であり、人口急増地域であるにもかかわらず、中学校が一校もない状況にあった。本計画で建設された中学校は同地区唯一の中学校として、その後の中学校施設のモデルとなるものとなった。施設設計に当たっては、周囲の厳しい自然・社会環境に対して勉学に集中できる快適な学習環境づくりを目指すとともに、気候・風土・敷地条件を考慮した施工負担、維持管理負担の少ない計画とした。校舎間の中庭は土地の高低差を生かした変化のあるデザインとし、管理棟には穴あきブロックによる日射スクリーンを設けて快適な室内環境を実現している。