マラウイ中等学校改善計画
背景
マラウイ国では1994年に初等教育無償化政策を導入して以来、初等、中等教育の就学者数が激増した。政府はコミュニティが建設した成人教育施設をコミュニティ中学校(CDSS)に格上げすることで、中等就学者の急増による施設不足に対処してきたが、依然として施設整備が追い付かない状態にあった。一般教室音不足に加えて理科実験室や図書室など中等学校として最低限必要とされる施設を欠いて、十分な教育環境が整備されていない。施設不足が進学を妨げる一因となっているとの認識の下、マラウイ国政府は全国21か所のCDSS施設拡充について、日本の無償資金協力を要請した。
プロジェクト内容
本計画では、中央州及び南部州の6CDSSについて、公立政府系中学校(CSS)で標準的に設置され、有効利用されている施設内容に準じて、教室棟、管理・図書棟、実験棟、便所棟の建設を第一優先として実施した。加えて農村部では女子生徒の就学促進を目的にした寮施設(寄宿舎、厨房、ホール)と教員住居を含めた整備を行った。施設は現地の標準的設計に倣って分棟式、平屋建てで計画し、建物規模を抑えて可能な限り敷地の自然勾配に沿った配置とした。構造には現地生産が可能なSSB(ソイルセメントブロック)による組積造を採用、構造上必要となる補強壁をデザインの主要素として外壁面に素材感と彫りのある表情を加えるよう計画した。