マダガスカル第二次小学校建設計画
背景
マダガスカルでは人口増加率が3.0%以上と高く、初等教育では就学児童数が増加の一途をたどる一方で、既存施設の老朽化や損壊、教員不足等により、1995年には純就学率が65%にまで低下した。これに対し、同国政府は「国家教育改善計画」を策定、ドナーの支援を得て教育環境整備を進めており、我が国も東部2州を対象に「小学校建設計画」を実施した。引き続いて要請されたアンタナナリボ州及びマジュンガ州を対象とする第二次計画は、2001年以降の大統領選とそれに続く社会的混乱によって中断したが、2年間の期間を経て改めて事業再開の要請がなされた。
プロジェクト内容
調査の結果を踏まえて、敷地や増設の必要性に問題がある2サイトを除くアンタナナリボ州18サイト、マジュンガ州40サイトを対象に、教室(合計343教室)、校長室・倉庫及び便所の最小限の施設建設と教育機材の供与を行った。施設は立地と敷地条件に応じて平屋又は2階建ての標準タイプを組み合わせた配置とし、耐久性向上を目的にした鉄筋コンクリート造トラスと鋼材母屋による小屋組みや平屋建て教室棟の外廊下の取りやめ等、前回案件の設計内容からの改善を行った。また、両州の気候条件の相違を考慮して二種類の開口部仕様を設定した。
なお、本計画では施設完成後の学校運営を担うアクターとして期待されるFAF(学校運営員会)の活動を支援し、モデル校FAFへの研修・訓練実施を通じて、学校施設の維持管理を含む運営・維持管理能力の強化を目指すソフトコンポーネントを併せて実施した。