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ナカラ医療従事者養成学校建設計画

背景

モザンビーク国は、保健人材養成機関による養成数の不足が国家保健サービスの拡大、向上の大きな障害であるとし、国をあげての保健人材養成に取り組んでいる。その結果、9年間で保健人材数は約2倍となり、人口10万人あたりの医療者、看護師、母子保健看護師数は目標値の65人を達成した。しかし、WHOが推奨する人口10万人あたり250人にはほど遠く、今後も継続的な保健人材養成が必要とされた。
本計画はモザンビーク北部地域で不足している新規保健人材の養成機会の拡大を図るため、ナンプラ州東部の中心都市ナカラに同州で2校目となる医療従事者養成学校を整備するものであり、日本の無償資金協力により必要な施設建設と機材供与が実施された。

プロジェクト内容

本計画では、看護師、母子保健看護師、医療技師、予防医学技師、臨床検査技師、薬剤師の主要6コースに加えて、心理療法士、栄養士、理学療法師、放射線技師、歯科技師の11コースを対象に、全国各州に展開する医療従事者養成学校の標準的な施設・設備、機材内容に基づき以下の内容を計画した。

施設:教室・演習室棟、事務・教務管理棟、講堂・食堂棟、学生寮、教員住居等
機材:実技、生物化学、歯科用の演習機材、講堂備品、厨房備品、PC等

施設は機能に応じた分棟式とし、隣接する郡病院との関連、将来拡張余地の確保配置、住居ゾーンと教育/管理ゾーンの明快な分離等に配慮しつつ、限られた敷地の中に各棟をコンパクトに配置した。また、教室・演習室棟と講堂・食堂棟を、コの字型の事務・教務管理棟に対して軸をずらして取り囲むように配することで、変化に富んだ中庭空間を創出するとともに、講堂及び食堂には連続したヴォールト屋根を掛けて、場所に応じて多様なシークエンスが展開する豊かな外部空間の実現を図った。

  • 計画地    モザンビーク
  • 構造     鉄筋コンクリート造、2階建て
  • 敷地面積   26200.00㎡
  • 建築面積   8399.00㎡
  • 延床面積   8399.00㎡
  • 施工     大日本土木株式会社
  • 竣工年    2018年
  • 業務内容   基本設計、実施設計、工事監理