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ブータン教育施設整備計画

背景

ブータン国は「国民が幸福感を持って暮らせる社会」の実現を目標に、経済発展だけでなく環境や伝統文化の保護を考慮した均衡のある開発を目指す取組みを進めていた。その中で教育は「国家目標を達成する鍵」となる最重要分野とされ、重点的な投資が行なわれてきた。その結果、総就学率が初等教育過程で105.7%、基礎教育課程全体でも87.8%に達した。特に初等教育の普及に伴って急速に就学需要が拡大した中等教育では、生徒数が年7%を超える伸びを続けて、施設整備を通じたアクセスの拡大が喫緊の課題となっていた。かかる状況に対し、我が国はブータン国政府の要請に基づき、2005年に「教育施設整備計画」の実施を決定、無償資金協力による中学校2校の建設を行った。同計画はその後中断され、その未実施校3校を含む8校の建設が新たに要請された。

プロジェクト内容

本計画では調査結果を踏まえ、要請8サイトから第一優先3校と第二優先2校の計5校を対象に計画を策定、うち上位4校に関する概略設計策定を行った。新たに導入されたコミュニティ開発支援無償のスキームにより、現地標準設計と現地業者の活用を前提に大幅なコスト縮減を図ることが求められた。各施設の平面、室構成・面積、仕様は教育省標準設計に準拠しつつ、主体構造や開口部仕様等には耐久性や居住性、施工性の向上とコスト縮減の観点からの改良を加えた。
なお、本計画の実施設計・施工監理は調達代理機関の実施監理の下で現地設計事務所を活用して行われている。

  • 計画地    ブータン
  • 構造     鉄筋コンクリート造、2階建て
  • 延床面積   16055㎡
  • 竣工年    2007年
  • 業務内容   基本設計